反省させられる出来事・トラブル対応
2007/04/05 12:00:00 SEの独り言
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弊社でメールサーバーを管理させていただいているお客様から、携帯メールアドレスにメールが届かないとの連絡がありました。
このお客様は社員全員自社ドメインでのメールアドレスを持たれており、メールが届くと自動的に各自の携帯にも転送されるような運用をしています。
事務員さんが電話などで伝言をお受けになると、その場で各自のメールアドレスにメールを送信されます。
伝言メモをなくし、社外にいても即座に用件を把握でき、帰社後にパソコンで再確認できる。
ペーパーレス、時間短縮、うっかり忘れ防止を兼ねた効率的な運用です。
しかしながら、特定の発信元と送信先の組み合わせでメールが届かないことがあるとのことでした。
さっそくご訪問して状況の確認。
・AさんのパソコンからBさんのメールアドレスに送信した時にのみ現象が発生する。
・社内の他の組み合わせや、Aさんと社外とのメール送受信は問題ない。
・Bさんのパソコンにはメールが届く。
・自動的に転送される筈のBさんの携帯にはメールが届かない。
・携帯電話のキャリアから、Aさんのパソコンにエラー通知が返信される。
・エラーは 550:Unknown User
まずは、Aさんのメールソフトの設定内容の確認。
問題なし。Aさんと他の方の送受信は問題ないわけですから、当然といえば当然です。
次に、メールサーバーの設定確認を実施。
/home/ユーザー名/.forwardファイルの記述内容を確認しますが、問題なし。
他の方からBさんの携帯にはちゃんと届くわけですから、これまた当然といえば当然です。
しかしながら技術者の性というか、まずは自分が実施した設定を疑ってしまいます。
次に疑わしいのがBさんの携帯の設定です。
特に、迷惑メール対策の着信拒否・許可設定が怪しい。
社外にいらっしゃるBさんにTELで設定内容の確認をお願いするも、しばらくして『間違いない』とのこと。
確かに、エラー内容がRejectではなく、User Unknownですからね。
ここで完全に行き詰ってしまい、サーバーのログを確認したり、再度.forwardファイルの内容を確認したり・・・
業を煮やしたAさんが某キャリアさんにTELして質問するも、『ウチの問題ではありません』とのツレナイお返事。
どうしようもなく私は一旦引き上げ、Bさんの帰社を待つことに。
Bさんがご帰社後、(結局は翌日に)携帯電話の設定を私の目の前で確認していただくことに・・・
あ、綴りが一文字間違えています。結局問題は迷惑メール対策の設定ミス。あっけなく解決してしまいました。
問題も無事解決し、お客様にも大変感謝していただきました。また、トラブルは弊社の責任ではなく、キャリアの対応もお粗末でした。
とはいえ、お客様は弊社以外によりどころがなく、業務にも支障が出ている状態で、解決までに足掛け2日を要してしまったことは反省しなければなりません。
自分なりに反省点を整理してみました。
反省点1:論理的に問題点が絞れているのに核心を追及できなかった。
現象論から論理的に判断すれば、問題は携帯の設定にあると最初から断定できていたにも関わらず、他の原因の可能性を探ってしまいました。
最短距離でトラブルを解決するのが使命ですから、多少強引にでもアタリをつけたらまず潰す という私なりのトラブル対応の原則から外れていました。
反省点2:物的証拠ではなく、状況証拠や思い込みに惑わされてしまった
Bさんを責めるわけではありませんが、『間違いない』というお言葉に対して、私が疑問を持たなかった。
また、今回のような問題の場合、本来、キャリアから帰ってくるエラーは、『User Unknown』ではなく、『Reject』だという私の思い込みがあった。
真実は物理的・論理的に追求しないといけないという原則をこれまた痛感しました。